【あくねこ】主様、お誕生日おめでとうございます【SS 地下編】

2022年7月3日

こんにちわ(。・ω・)ノ゙ゆいなです♪

先日お誕生日と言うモノを迎えたのですが、リアルお誕生日は『もつ煮』『海老のサラダ』『手作りチョコレートケーキ』『某レモンサワー』(その他もろもろ)と渋めでしたヾ(・ω・*)←みんな好物ばっかり♡

お祝いされる歳ではないのですが『悪魔執事と黒い猫』(あくねこ)にはお祝いして欲しい!!と言う、なんとも我儘思考なので、地下の執事から順番に二次創作を書いていこうと思います♪

主様(読んで下さっているあくねこユーザ様 もちろんご新規さんも)、私(ゆいな)が主様のお誕生日を素敵なモノにできたら嬉しいです(`・ω・´)ゞ

ジャンル的には甘めで、ラトが入っているのでちょい殺戮系やもしれません。
苦手な方はご遠慮下さい。

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主様Haapy Birth Day☆ 地下の執事の場合。

─デビルズパレス 自室─

『コンコン』と自室にノックの音が響く。
どうぞ。と言う私の言葉を待ってドアが開くと地下の執事(フルーレ、ミヤジ、ラト)の姿があった。

ミヤジが落ち着いた口調で話を切り出す。
『主様、今お時間は大丈夫かな?』
『大丈夫だよ。みんな部屋に入って』

『有難うございます♪主様』
フルーレは嬉しそうに返事をする。

地下の執事3人を見ていると、先生と生徒と言うより『家族』と言う感じがする。
ミヤジがお父さん、フルーレとラトが兄弟で・・・。そんな事を考えると思わず笑みがこぼれる。

『主様、何を考えているんですか?』
ラトが私の顔を覗き込む。
『べっ・・・別に・・・。何も考えてないよ・・・っ』
家族みたいだな。って考えたなんて言ったら・・・。

『ラトくん。あまり主様をからかっては駄目だよ?』
『ミヤジ先生・・・』
ミヤジにそう言われ、ミヤジをじっと見つめるとラトは
『まぁ、そうですね。この後もあるわけですし・・・』
と思わせぶりな言葉を発した。

『ちょっとラト!?その話は、今言ったらだめでしょ?ミヤジ先生が説明するって約束したのに・・・』
『フルーレ・・・そんなに怒らないでください。私はフルーレを怒らすつもりで言った訳ではありません』
フルーレとラトのいつも通りの会話で安心する。

『さぁ、二人とも。今日は何の日だか知っているよね?主様にちゃんとお祝いの言葉をかけないと』
ミヤジが二人の様子をみていった。
『・・ラトのせいで台無しじゃん・・・』
頬を膨らませたフルーレがラトを睨む。

すっーとフルーレが大きく息を吸い込むと
『主様、今日はお誕生日おめでとうございます!!』と嬉しそうに言った。
『主様、今日は本当に・・・お誕生日おめでとうございます。私は、主様と大切な日を迎えられて本当に嬉しく思いますよ・・・』ラトはじっと私の方を見つめながら話す。

『ありがとう・・みんな・・・』

小さい時は自分の誕生日を楽しみにしていたっけ・・・。

昔の事を思い出そうとしていると、ミヤジが
『主様、今日は本当におめでとう。私たち地下の執事は主様が無事に誕生日を迎えられた事を嬉しく思っているよ。これからも、一緒に誕生日を迎えられたら嬉しい』

ミヤジは丁寧にお辞儀をする。それに合わせる様に、フルーレとラトもお辞儀をする。

『ちょ・・・そんなにかしこまらないで・・・っ』

なんだか気恥ずかしくなって、普通にしてくれるように私は頼んだ。

『主様、素敵なお誕生日を・・・』 ミヤジの場合

──少し後──

地下の執事達が部屋から出ていくと静かな時間が流れる。

花瓶に飾られてある白いユリは、いつもより凛としているように見える。
(色んな人にお祝いされたのって何時ぶりだったかな・・・?)

そんな事を考えていると、また部屋にノックの音が響く。

『主様。私だが・・・入っても大丈夫かな?』ミヤジの声だ。

『大丈夫だよ』
ミヤジが一人きりで部屋に来るのは珍しいと思いながらそっとドアを開ける。
『主様。お休みのところすまないね』
『うんん・・?それより、ミヤジ。何かあったの?』
『いや・・・そうではないんだが・・・』

ミヤジはなにか言いづらそうにしている。

『?』
『ちょっと、主様に伝えたい事があってね』

大事な話なのかな?と思い部屋で話すことにした。

『伝えたい事って・・・?天使の事・・・?』
『いや・・・そうではないんだが・・・』
『?』
『主様をあまり困らせてしまってもいけないね。実はコレを用意したんだ』

そっと私の前に綺麗にラッピングされた小包が差し出された。

『・・・これは・・・』
『・・・開けてみて欲しい』

綺麗に包装してあって開けるのが勿体ないくらいだったが、静かにリボンを引くと中から綺麗な白いヒールが現れた。

『靴・・・』
『主様の誕生日という事で・・・作ってみたよ』
『作って!?』
『ああ。主様が気に入るかは別問題だが・・・』

手作りのヒールを貰ったのは初めての事で、どうしたらいいのか正直困ってしまう。
この場で履いた方がイイのか、飾っておけばいいのか・・・。

『えっと・・・有難う・・・』
『やはり、困らせてしまったかな?』
『いや・・・そうではなくて・・・』

ミヤジは私の反応をみて困っているようだった。
仕方なく、私は正直に話すことにした。

『嬉しいの。だけど、この場で靴を履けばいいのか・・・。飾っておけばいいのか分からなくて。もちろん、履いたら汚してしまうかもしれないし、靴も汚くなってボロボロになってしまうし・・・。折角ミヤジが作ってくれたものだから大切にしたいなって・・・』

その言葉を聞いてミヤジはくすっと笑う。

『主様。椅子に座って欲しい。私が靴を履かせてあげよう』
『!?』
『いつもは主様の気持ちを尊重しているつもり・・・だが。今日はちょっと話を聞いて欲しい』
私は静かに椅子に座った。

ミヤジは手馴れた手つきで、私の今履いている靴を抜かせていく。
『ミヤジ・・・私、自分でもできるよ?』
『・・・主様。私は自分の気持ちを素直に言葉にするのは苦手なんだが・・・』
『・・・』

『私が主様に靴をプレゼントをした理由は、この靴が主様を幸せな場所に連れて行ってくれると言う願いを込めてなんだ』
『・・・』
『天使の警報が鳴れば主様は危険な場所に行かなくてはいけない。それ以外では、幸せに過ごして欲しい。もちろん辛い事もあるかもしれないが、靴を見た時に主様の幸せを願っている執事がいるという事を思い出して欲しい。もちろん無理に履いて欲しいとは言わない・・・』

素足になった私の足はお世辞でも綺麗とは言えなかった。

ところどころマメが出来ているし、皮膚が固くなってしまっているところもある。

『もし、履いている最中に靴が壊れてしまったら。その時は私がおぶってあげよう』
『!?』
『私はこう見えても主様を背負って歩く力はあるし』
『そういう問題ではなくて・・・』

『・・・私がそうしてあげたい。と言ったら迷惑かな?』
『・・・』

ミヤジがプレゼントしてくれたヒールは私の足のサイズにピッタリだった。
『さぁ、できたよ』
私は静かに立つと、2、3歩、歩いてミヤジの方に向き直り
『ミヤジ。素敵な誕生日プレゼント有難う』
と感謝の気持ちを込めて伝えた。

『主様を守れるように』 フルーレの場合

──コンコン──
自室のドアを誰かが叩く。
『主様。今大丈夫ですか?』
フルーレの声がする。

『大丈夫。入って』
私がフルーレに声をかけると、フルーレは大きなリボン付きの小包を持っている。
『フルーレそれ・・・』
『この大きさだと・・・隠しきれないですね・・・』

フルーレは顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
『えっと・・・今日は主様のお誕生日じゃないですか・・・それで・・・その・・・。主様に・・・コレを・・・』

と小包を差し出した。

『フルーレが私に?』
『はい。主様の事を考えて・・・ちょっと張り切りすぎちゃったのですが・・・。その・・・気に入ってもらえると嬉しいです・・・っ』

フルーレから小包を受け取る。
フルーレらしい大きなリボンはきっと手作りなのだろう。

『開けてもいいの?』
『はい♪そうしてもらえると・・・嬉しいです』
小包を開けると、白いユリを思わせるようなドレスが出てきた。


『凄いっ!!』
豪華すぎてウェディングドレスの様になっている。
『主様はいつも嫌がりますけど・・・今日だけは着替えるのを手伝わせてもらえませんか?』
『!?』
『・・・っ。そんな顔してもダメですっ!!今日は手伝うって決めたんですっ!!』

フルーレは何か勘違いしている。
身体を見られるのが恥ずかしいから、遠慮しているのに。

『・・・あの・・・フルーレ』
『なんですか?主様?』
『・・・恥ずかしいから断ってるんだけど・・・』
『えっ!?』

フルーレの顔が赤くなる。

『そんな・・・俺は・・・。執事として、そんな変な事考えてるわけないじゃないですか・・・。ましてや、主様を・・・』
そう言って少し寂しそうな顔をする。

『えっと・・・じゃぁ、今日だけだからねっ!?コルセットと、背中のものは・・・頼もうか・・・な』
私が妥協してそう話すとフルーレは嬉しそうに
『はいっ♪主様』
と答えた。

『主様、ドレスに違和感があるトコロは無いですか?』
心配そうにフルーレが聞く。
『大丈夫だよ』
思っていたよりも軽くて、動きやすいドレスだ。

『うん・・・思っていた通り。主様にはぴったりなドレスです。素敵ですよ♪』
着替えさせてもらう時に鏡越しにフルーレの様子を見る事ができたけど、真剣な表情をしていた。

『フルーレってさ、何事にも全力だよね』
『そうですか?自分は主様に喜んでもらいたくて・・・頑張っているだけですけど』
『私の為に?』
『・・・いつか、他のみんなより強くなって主様を一人で守れるような・・・そんな男になりたいなって・・・』
『でも、フルーレには無理をしてほしくないなって・・・』
皆の衣装を一人で作って、人一倍訓練を頑張っているフルーレの事はよく知っている。

『もぉ。主様はまた、そうやって人の事を心配する。俺は自分にしかできない事をするんです。主様は今日は主役なんですよ?主役らしく笑っていてください』

フルーレは私の顔をみてニッコリ微笑む。
『主様。来年もまた、主様のドレスを作らせて下さい。再来年も、ずっと先も・・・毎年お祝いをさせて下さい。今日は本当におめでとうございます。俺は主様に仕えられて幸せです』

そう言ったフルーレは、丁寧にお辞儀をした。

『泡の消える音』 ラトの場合

──コンコン──
自室のドアがノックされる。
『誰なんだろう?』と思うけど、静かにドアが開きラトが顔を出す。

『主様。今お時間よろしいですか?』
『うん。大丈夫だよ』
ラトが私の部屋に来るときは、何か聞きたい事がある時だ。

『今日はどうしたの?』
何となく気になってラトに尋ねる。
『先ほど、地下の執事達で主様のお誕生日のお祝いの言葉を述べましたが・・・。それだけだと不適切ではないかと思って、こうして来ました』
『不適切・・・?』

私は言葉だけでも十分嬉しかったし、みんなに大切にされているんだなって実感できて良かったなって思っているんだけど・・・。

『最近、私はある物語を読みました』
『物語?』
『物語のお話はこうです。大切な人を殺してしまえば自分は元の世界に帰る事ができるのに、主人公の女性は殺すこともせず、自分が泡になる事を選んで消えてしまいました』
『・・・』

『ですので、主様にコレをプレゼントしようと思って』
ラトは私に短剣を渡した
『・・・剣?』
その短剣はラトがいつも訓練で使っている短剣だった。

『はい。もし、主様がココに戻らない場合は私を殺して欲しいなと考えました』
『どういう・・・』
『その物語が幸せに終わるようにする為には、大切な人を壊すのが一番ではないか?と考えました。私は主様に泡になって消えてほしくはありません』

『・・・』
その短剣は思っていたよりも重くて、丁寧に手入れをしてあるようでキラっと輝いていた。

『ねぇ。ラト。多分それは違うんじゃないかな?』
『主様は他に考えがあると?』
『あっているか?あっていないか?と言うのは、分からないけど・・・』
『興味深いですね』

ラトは続きが気になるようだ。
『私はその物語の女性じゃないから消える事はないよ。それにラトも殺したくないし』
『私は別にかまいませんが』
『そういう問題ではなく・・・』

こんな時ラトに分かりやすそうな説明が出来ればいいなと思うけど、なかなかその言葉が見つからなかった。

『・・・主様に意地悪をしちゃいましたかね?』
ラトがくすくすと笑う。
『・・・』
『いえ。馬鹿にしたわけではありません。ただ、主様には他の執事に何があっても生き残って欲しいのです。私がプレゼントしたのはその為の武器です』

生き残るための・・・。

今は執事の皆が守ってくれているから、私はこうして生きてられるけど。
一人になってしまった事を考えるとあまりにも無力だ。

『多分・・・皆になんかあったら、私もいなくなるんじゃないかなぁ?』
『おや?それはまたどうして?』
『ココにいる意味がなくなるから』

そう言って、ラトからもらった剣の刃を指先でなぞる。
『痛っ・・・』
『主様。それは自分用に手入れをしていた武器です。切れ味はイイと思いますよ?今、手当をしますね』

ラトが慣れた手つきで手当てをしてくれる。

私はそれをぼーっと眺めてるだけだった。
『主様がいなくなったら、私もいなくなります。物語を読んでいて考えたんです。自分は人より耳が良いんです。だから、主様が泡になって消えてしまう音も最後まで聞くことができます』
『・・・』
『私の特権ですね。主様が泣いている時、辛い時は傍にいます。主様の誕生日のお祝いっぽくなくなってしまいましたね・・・。私が誰かに生き延びていて欲しい・・・そんな事を考えたり、ベラベラ話したりする事はありませんでしたから』
『ラト・・・』

『改めまして、お誕生日おめでとうございます。主様』

ラトは、手当てをしてる手を止め静かに言った。

あとがきヾ(・ω・*)

今回『地下室』の執事さんのお話でした☆
執事達がプレゼントしてくれるならなにがいいよ?』と言うお話に付き合ってくれた、友達さん。

私の『ラト大好き♡』に懲りずに付き合ってくれる皆様。本当に有難うございます。

無事に〇〇歳を迎える事ができました。
お祝いしてくれた皆様に感謝と、これからお誕生日を迎えるあくねこユーザさんに『おめでとう』を言いたくて書いてみました♪

『主様が辛い時は私を頼ってイイんですよヾ(・ω・*)』

では♪
最後まで読んで下さって有難うございました☆ゆいなでした。

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