【あくねこ】ジューンブライド Butler’s wedding【SS】ラト編
こんにちわ(。・ω・)ノ゙ゆいなです☆
2022.6.1に『悪魔執事と黒い猫』のアップデート『Butler’s wedding』が始まりました♪
いやー・・・
尊い(/ω\)♡
全員好きなのですが、個人的に『ラト』が一番好きです♡
(もっと仲良くして欲しい・・・)
と言うのはさて置き。
今回のイベント真っ最中。痒いトコロに手が届かなかった人も多いハズ・・・?
乙女ゲーをやっていた人なら少し物足りなさがあったり・・・。
そんなこんなで、個人的に考えたお話を書いていこうかと思います。
今回は一番大好きなラト編です。
若干ネタバレになるのと、大人の絡み(ソフト)がお嫌いな方はご遠慮下さいヾ(・ω・*)
ラトとクロユリ
『主様。主様は結婚について、どう考えてるんですか?』
私とムーが執事達の結婚観について一通り聞いたところで、ラトがそう尋ねてきた。
『え・・・?私?』
『はい。全員の執事が答えたと思います。私は、主様の結婚観が聞きたいです』
ラトは真剣な顔だ。
隣にいたフルーレも興味深々の顔をしているが、私が困っているのを見ると
『ねぇ・・・ラト。それは、聞いちゃダメなんじゃ・・・?』と助け船を出す。
(皆の話を聞いて自分だけ答えないのは、ずるいよね・・・)
『私は──』
そう言おうと声にだすと、ミヤジがそれを止める。
『主様。疲れているだろうから、自室で休んだらどうだろう?ラトくんも、フルーレくんも撮影の準備がまだ残っているよ』
『・・・そうですね』
仕方がないと言う顔をして、ラトは私にくるりと背を向ける。
その姿を見届けると、ミヤジとフルーレが自室に行くように促す。
庭園には沢山のユリが咲き誇って、甘くて清々しい香りがする。
もう少し庭園の様子を見ていたけど、気まずくなって自室に戻る事にした。
──デビルズパレス 自室──
さっきの、ラトの質問について考えていた。
手元にある本の内容も全然頭に入ってこず、パラパラとページをめくるだけの作業を繰り返している。
『結婚かぁ・・・』
理想では、仲睦まじく、ずっと一緒にいる事。
だけど、きっとそんなにうまくいかないんだろうな・・・。と思う。
現実世界に帰れば、魔法が解けたように日常に追われ。
家事、掃除、洗濯・・・仕事、寝る・・・。
そもそも、恋愛が・・・。
そんな事を考えていると、部屋にノックの音が響いた。
『──コンコン』
『どうぞ』
『失礼します。主様』
『ラト・・・どうしたの?』
『さっきのお話の続きです。私は主様の結婚観について聞きたいです』
『えっと・・・』
(さっきまで考えていたけど・・・まとまってないっ!!)
『主様は純粋で美しいですね。私はそんな主様の事を、大切に思っていますよ』
『・・・純粋じゃないと思う。実際向き合わないといけない現実から目をそらして、こっちの世界にきている訳だし・・・』
『では、それで困る人がいるんですか?』
『それは・・・』
『少なくとも、私たち執事は主様のおかげで助かっています。そして、私は主様に会えるのを楽しみにしています』
ラトは真っすぐ私の瞳を見てそう言った。
なんとなく、視線が合わせづらくて私は瞳を伏せる。
『主様、失礼します』
と言って、ラトは私の髪に何かをそっと刺した。
『・・・?』
『先ほど、庭園でユリの花をとってきました。主様に似ていると思って』
『私に・・・?』
『ミヤジ先生から教わりました。ユリには、純潔、無垢と言う意味があるそうです』
『・・・私には似合わないと思う・・・』
私は髪に飾られた、ユリに手をやるとそっと手に取った。
ユリの茎の断面がハサミで切ったものではなく、引きちぎった様な断面になっている。
飾り気のないラトらしいなと思う。
ユリの花言葉で例えるなら、ラトの方が似合う。
私はそっと、ラトの髪にユリを飾った。
『主様?』
『このユリはラトの方が似合うよ。純潔、無垢ってラトの事じゃないかな?』
『・・・本当にそうなんでしょうか?』
ラトは感情が無い言葉でそう呟いた。
──写真撮影の日──
『主様。今日はよろしくお願いします』
ラトが着替えてきて、丁寧にお辞儀をする。
『こちらこそ。よろしくね』
先日の結婚観の話があって、気まずかったけど・・・大丈夫そう?な感じ・・・?
『主様、少しだけ良いですか?』
そう言って、ラトが私の手を引っ張る。
『え?大丈夫だけど・・・どうしたの?』
『こっちへ』
──森の中──
『ここは?』
瑠璃色の蝶が飛び、地面には黒い花が咲いている。
『私の秘密の場所です。それと・・・〇〇さんにコレを』
突然さん付けで呼ばれてびっくりしたけど、それ以上にびっくりしたのが黒い花束だった。
『・・・これは・・・』
『自分は呪いと言う契約で生きているちっぽけな人間です。自分にはこの黒いユリが合うと思って生きてきました。先日、〇〇さんにユリが合うと思ってプレゼントしたのですが、返されてしまったので。もし、私に合うと思ったモノをプレゼントしたらどうなるのか?と考えてみました』
『・・・綺麗・・・』
黒いユリにカスミソウ。歪なレースのラッピングブーケ・・・。
『〇〇さん。撮影は本物の恋人同士の様にしないといけません。ですので・・・』
ラトは急に私を抱き寄せた。
包帯だらけで華奢な身体と思っていたけど、大きくて暖かい。
『・・・ラト!?』
ラトは静かにするように私の口に人差し指を当てる。
自分の心臓の音が耳に響く。
何時も近くにいるはずなのに、私の知らなかったラトの一面。
『自分の気に入っているモノをプレゼントして喜んでもらえるのは、嬉しいものですね』
『・・・』
『・・・でも、私が一番気に入っているのは』
ラトは静かに私の口に、唇を重ねる。
『んっ・・・』
一瞬何が起こっているのか分からなかった。
自分の唇に温かくて、柔らかい感触が伝わってくる。
その時間は、とっても長い時間の様に感じられた。
『〇〇さんの事ですよ。不思議なものですね。私には生涯大切にしたいと思うモノはミヤジ先生とフルーレだけだと思っていたのですが・・・』
『・・・』
まだ、ラトの腕の中にいる私はどう反応していいのか分からなかった。
『ねぇ、〇〇さん。私と結婚したら、毎日こんな事してくれますか?そうだ。一緒にお風呂に入りましょう。そして、自分が絵本を読んであげます。でも、これだと・・・プロポーズにはなりませんね』
『充分だと思うけど・・・』
そうして、ラトは私の事を御姫様抱っこをする。
『ちょっ・・・ラト!?』
『痛みや悩みを一人で抱え込まず、二人で共有できる。そんな仲になりたいと思っています。そして、〇〇さんが死んでしまったら、私も死のうと考えています。大切な人がいなくなった世の中で生きるのなんて、私にとっては何の価値もありませんから。死ぬまで一緒。死んでも一緒。コレでお互いが寂しくないでしょう?』
『・・・』
『ただ・・・今は生きてやりたい事が山ほどあるんです』
と笑顔でラトが言った。
優しい風が吹いて、二人の髪を撫でると遠くからフルーレの声が聞こえた。
その後のお話
『このブーケに似合う衣装を、主様に作ってください』と言うラトの無理なお願いを、フルーレは怒りながらも承諾して短時間で作り上げた。
黒いユリのブーケに黒いドレス。
その広告は街の町の人たちの目を引いて、オーダーしてくれたオーナーさんは凄く喜んだそう。
だけど、悪魔執事に対する偏見はまだ残っていて・・・。
心無い声をかけられたり、暴力を振るわれたりもするけど・・・。
私は、ここで命尽きるその日まで一緒に生きていこうと思うんだ。
終わりに(/ω\)♡
という事でラト編のウエディングを書いてみました♪
因みに黒いユリの花言葉は『恋』と『呪い』らしいです。
アイヌ民族の言い伝えだと、好きな人に思いを込めたクロユリをその人の近くにそっと置いて、相手がそのクロユリを手にすれば二人は結ばれるって言い伝えがありますヾ(・ω・*)
もう一つは黒百合伝説と言うのもあります。
戦国武将に小百合と言う美しい側室がいたそうな。
でも小百合さんが密通していると言う噂が流れて、武将が小百合を殺してしまう。
その時に小百合さんは『黒百合が咲いたら、武将家は滅ぶ』と呪いの言葉を残したそう。
『クロユリ団地』とかいうホラー映画もあったくらいで、あまり良いイメージが無いかもしれません。
読んで下さった皆様はどちらの意味にとったでしょうか?(/ω\)♡
という事で機会があればまた書いてみたいと考えています☆
最後まで読んで下さって有難うございましたヾ(・ω・*)ゆいなでした♪
2022.6.14
ちょい、書き直しました。
『ラトってもっと、こう言う言い回しをするんじゃないかな?』という想像と、まぁまぁ・・・こういう愛のカタチがあってもいいんじゃないかな?と思った次第ですヾ(・ω・*)
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません