【あくねこ】The Way Of Darkness【SS ラト編】

2022年7月10日

今日も『悪魔執事と黒い猫』(あくねこ)のSSを語っていきたいと思いますヾ(・ω・*)♡

また・・・ラトです。
えぇ言わずともがな・・・。

今回運営さんが『七夕イベ』を開催してくれました♪ほんと、コレは嬉しかったです♪

それなので、私も七夕ネタを(/ω\)
鬱ネタがあります。影響されやすい方は回れ右でお願いしますヾ(・ω・*)

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みんなの願い。

『よぉ。主様』

主が屋敷に帰ると、笹の木が風に揺られてさらさらと音をたてていた。

『今日は7月7日だからな。主様の世界では七夕と言う行事があるんだろ?』

そういったボスキは主に短冊を一枚手渡した。

主は飾られた笹の木に目をやると綺麗に装飾されており、それぞれ執事の願い事が書いてある事に気づいた。

『執事たちもそれぞれ願い事を書いている。主様も時間があったら書いてみたらどうだ?』
『えっと・・・。願い事・・・』
『そんな難しく考えなくていいんじゃないか?出来る様になりたい事とか、やりたい事とか・・・主様にはそう言うのねぇのか?』
『・・・うん・・・考えておく・・・』

短冊を持った主は自室に行こうとするが、ボスキがその手を掴み主に尋ねた。

『主様なんかあったのか?』
『ううん・・・何もないよ?』
『何かあったらすぐに、俺を頼れよ?』
『ボスキ・・・ありがとう・・・でも・・・』

何も言いたくなさそうな主の手をそっとボスキはそっと手放し、笹の葉が揺れている方向に視線を逸らす。

『まぁ、無理にとは言わないけどな』

叶わない願いなら

──自室──

───・・・願い事か・・・

主は自室の机で短冊を見つめていた。

──・・・これまでの願い事って、叶わない方が多かったんじゃないかなぁ・・・──

主はサラサラと落ちてきた髪を自分の耳にかけながら星空を見た。

現実の世界では曇り空で見る事が出来なかった満天の星空。

青と黒のグラデーションの空に沢山の星が散りばめられていて、7月7日だけに会う事を許される織姫と彦星もこちらの世界では会えているんだろうと思いにふけっていた。

──コンコン──

『・・・』

誰かが部屋のノックをしたが、主は考え事をしていて気づいてないようだった。

『失礼します。主様』

静かにドアを開けたのはラトだったが、何も気づいていない主をじっと見つめているラトは感情のない表情をしていた。

『・・・・あれ?ラト?』
『こんばんわ。主様』
『いつから居たの?』
『丁度5分ほど前ですね』

ラトはポケットから懐中時計を出して確認すると、またパチっと閉めて元の場所にしまった。

主はこういう時は執事らしいなと思っていた。

『ごめんね。気づかなくて』
『いいえ。何か考え事ですか?』
『・・・大した事じゃないんだけど・・・』
『聞かせて欲しいです』
『本当にっ!!大したことじゃないんだよ?』
『主様とのお話は楽しいですから。それに、もっと主様の事を知りたいですから・・・』

ラトはそう言って、クスクス笑うと真面目な顔をして

『で・・・。何があったんですか?』と聞いた。

主は、仕方ないなと言う表情をしながら星空に視線を向けた。

『今まで七夕で沢山のお願い事をしていたんだけど・・・。叶ったり、叶わなかったり・・・結局叶っても・・・コレだから』
『コレとは?』
『結局何も変わってないなって。臆病なトコロとか、精神的に落ちこんじゃうトコロとか・・・。だから、皆が羨ましいなって。ちょっと思っていたんだよね』
『羨ましい・・・?』
『そうそう。星みたいだなって。ちゃんと願い事があって、キラキラしてるなぁって』

ラトは腕組をしながら話を聞いていたが、主の話を聞き終えるとテーブルの上に短冊を見ながら静かに話し出した。

『主様は執事たちみんなの"希望"なんだと思いますよ?』
『私はそんな風には思っていないし。現実世界では・・・埋もれちゃう存在だから。沢山の人たちの願い事があって、叶わなかったり、叶ったり。結果は2択しかないのに、私は何を願うんだろう?と思って』
『ふむ・・・なるほど』

それを聞いていたらラトは、テーブルの上にあった短冊を手に取ると、ピリピリと破き始めた。

『──ラト!?なにしてっ・・・』

ラトは破く手を止めずに主に話しかける。

『今の主様にはコレは必要ないと考えました』

歪に歪んだ記憶のカケラ

『折角、ボスキが用意してくれたのに・・・・っ』
『関係ありません』

主の目には沢山の涙が浮かんで、床には無数の切れ端になってしまった短冊がひらひら舞う。

主はその切れ端を必死に集めていた。

『ねぇ。主様。ボロボロになってしまったモノは元には戻せません。過去の辛い記憶や壊れてしまった幸せも繋ぎ止めようとすればする程、歪んでいくものです。この短冊も、きっとそうでしょう』

ラトの手から最後の短冊の一部が舞い落ち、主の目から大粒の涙が零れ落ちた。

『ボスキさんには悪い事をしました。だけど、私は主様に笑顔でいて欲しいと思っています』
『こんなの・・・っ』
『"望んでいない"と?』

ラトは静かに笑うと主に顔を近づける。

『望んでなんかいる訳ないじゃないっ!!』
『なら・・・どんな結末が良かったんでしょう?主様が願い事を書かない結末、一生懸命悩んで書く結末。どの結末でも主様を苦しめるのでしたら、私は必要ないと思います』
『違うのっ!!・・・ほんとは・・・』
『?』
『本当は、みんなの幸せを願いたいけど・・・叶わなかったらどうしようって・・・・っ!!それに、私が願ったところで・・・叶うなんて・・・っ。・・・そう、思えない・・の』

主は切れ端になった短冊を握りしめ、静かに頬を濡らしていた。
その涙は頬を伝って、握りしてめていた手に零れ落ちる。

戻らない時間、やり直しのきかない過去、性格、考え、自分自身の全てが主は大嫌いだった。

『───冗談ですよ。主様』
『?』

ラトが主の目の前に出したのは、短冊だった。

『・・・これ・・・』
『ボスキさんの短冊です。さっき破いていたモノは、私が用意したものです』
『・・・えっ!?』
『主様が悩んでいるようでしたので、小細工をしてみました』
『なんでそんなっ!!』
『私は主様の笑顔が気に入っています。その為なら何でもしますよ?』

上弦の月。切れない弦

主は短冊に願い事を書く間、ラトと静かに話をしていた。

『ねぇ、ラト。みんなが星だとすると、私は何になるのかな?』
『お月様だと思っています』

ラトは主の書く短冊を見つめながら答える。

『なんで月なの?』
『理由はありません。ただ、そう思っただけです。朔の夜・・・主様のいない夜は寂しく思います。私は満月の夜の記憶はありませんから・・・誰も傷つける事なく、少しでも長く一緒にいたいと思います』

空に浮かぶ上弦の月はラトの正気でいられる時間は、あと1週間である事を示していた。

『ねぇ。ラト。満月の日に外に行こう?』
『主様?』
『私は大丈夫だから。一緒に手をつないで、湖に行って月を眺めよう?森で沢山パセリ収穫したり・・・狩りとかも教えて欲しいしっ!!』

主はラトの手をギュッと握ると、ラトと一緒にやりたい事や行きたい所を話し出す。

『・・・それも、悪くないかもしれませんね』

ラトは嬉しそうに笑うと、主の髪をそっと撫でた。


──みんなの幸せが、長く続きますうよにうに──

おまけと独り言ヾ(・ω・*)


今回は七夕編ということでまたラトを書いてみました(/ω\)

無料ガチャ・・・結局ラト来なかったんですよ(´;ω;`)

まぁ俗に言う『物欲センサーゆんゆん』なんでしょうね・・・(*゚Д゚)!!
しゃーないのでお話を書いて我慢します♪

因みに月の話は結構、好きで私の名前『十六夜結依菜(ゆいな)』と名乗っていますが十六夜の月、ためらうとか躊躇すると言う意味です。

十六夜結依菜と使う時は、精神的なお話が多い時。
その他は「ゆいな」で自分の中では区分けされている(ハズ・・・)

最後まで読んで下さって有難うございました♪ゆいなでしたヾ(・ω・*)♡

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