【NIKKE】Good World【Part 8】
これで最後になりますヾ(・ω・*)
前回のお話はコチラ→【NIKKE】Good World【Part 7】
契約者さまへ
シラツルは一人、アークの地下に佇んでいました。
──契約者様へ。
前回から久しぶりのお便りとなり、申し訳ございません。
無事に最後の契約を果たしましたので、その最終報告をさせていただきたく、筆を執った次第です。
この度、財団のおともだちに契約終了を伝えるため、V.T.C.の制裁に乗り出したあの日から久しぶりにアークに足を運びました。
カフェの店長として暮らすサラ。
そして、立派に家庭を築いていたオリバーに会いました。
また、残念なことに直接会うことは叶いませんでしたが、しっかりと誠実な人生を歩んだレオの前で、契約終了を伝えました。
三人とも長い間、誠実に契約を果たしてくれました。
立派な一人の大人として、新たな家族を作ることに成功していました。 契約者様が望まれていた通りに。
それから、変わりゆくアークの姿も目にしました。
人々はいまだに事故や病気、寿命で苦しみ悲しんでいましたが、契約者様が願っていらっしゃったように、戦争が起こる前と同じく、ささいなことで笑ったり泣いたりしながら、日常を過ごしていました。
ある者は、変わりゆく世界を見て、人々は平和に甘んじ、世界は誤った方向へ蝕まれていると感じ、いまだにいい場所とは言えないという評価を下しました。
またある者は、変わりゆく世界を見て、心優しき人たちが、お互いを助け合う社会になっただけで十分に……いい方向に向かっているという評価を下しました。
契約者様がおっしゃっていたように、賛否両論が出たというだけでも、アークは十分に価値のある変化を遂げていることが分かりました。
それと、オリバーから言付けを預かりました。
「人としての人生を与えてくださってありがとうございます」と。
オリバーだけでなく、サラとレオも契約者様に会いたがっていました。
このこともぜひお伝えしたかったので、どうぞ添えさせてください。
それから、彼らに会いに行った際に、契約者様がV.T.C.に望んだあの子と行動をともにしました。
あの子は、ぬいぐるみをなくした子どもをあやし、道に迷い困っていた者を目的地まで送り届け、決断を下せずためらう者を揺らがないように支え、他人のために惜しみなく時間も心も捧げられる、優しいおともだちに成長していました。
それだけではありません。 親類が誰ひとり果たせなかった、地上の一部を奪還するという大きな偉業まで成し遂げていました。
本人は荷が重いと言っていましたが、あの子はきっと、契約者様が望まれていた、人類をいい世界に導く優れた人材として成長していくだろうと感じました。
ですので……財団との契約がすべて終了した今。
私は、あの子がこの先どんな決断を下すのか、その決断で世界がどんな方向に進むのか、見守っていくことにいたしました。
初めて契約や約束とは関係なく、自分自身の意思で、そう選択しました──
シラツルは読んでいた手紙から目を離し、ゆっくりと前を見つめました。
「ですので……どうか契約者様も、一緒に見守っていてください。あなたがずっと待ち望んでいた、優しいおともだちが作る未来を」
シラツルは今一度前を向いて、深くお辞儀をします。
揺れた髪飾りと耳飾りが、赤い光を柔らかく反射しました。
「この報告をもちまして『財団』との契約を終了いたします」
シラツルは、穏やかに微笑みます。
「今までありがとうございました、契約者様」
赤い光に包まれた空間で、巨大な「棺」を背にして……
シラツルは一度も振り向くことなく、静かな足音だけを残して、前へと歩きだしました。











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