【NIKKE】New year New SworD Episode1

こんにちわヾ(・ω・*)ゆいなです☆

去年の年末年始にアプリNIKKE紅蓮過去シナリオNew year New Sword』を今更ながら小説風にアレンジしてアップしてみる事にしました☆
(本当に今更です。でも紅蓮シナリオ好きなんです)

今更だけどNIKKEって面白いの?
NIKKEやろうって思うんだけど、今更感が半端ない・・・

と考えている人もいるかもしれない(*゚Д゚)!!
でも、イベントのお話は本当にイイんですよ☆ガチで強化しなくてもクリアできる程度の難易度です♪

と言う訳で、早速ヾ(・ω・*)

毎回なのですが、ネタバレが嫌いな人は回れ右でお願いしますヽ(・ω・)/

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一年最後の夜

一年最後の夜アークでは前哨基地では小さなコンサートが開かれていた。

カウンターズ部隊から、イージス部隊、メイド・フォー・ユー部隊、ハッピーズ部隊、777部隊、A.C.P.U.部隊、リトルキャノン部隊、アンリミテット部隊まで。

たくさんのニケたちが一堂に会した。

ステージの上から、いつもより張り切った様子のノイズがみんなに話しかける。

『みんな、この一年はどんな年だった?荒々しい波を切り抜けて、吹雪の中をかいくぐり、多くのことを経験し、そして乗り越えながら 一生懸命、この一年を生きてきたはずよ。私もそうだったの。たくさんのことを経験して、悩んで、乗り越えてきたわ』

ノイズは決心したように一呼吸置くと話を続けた。

『だから・・・。私のそばで一緒に悩み、助けてくれた人にこの場を借りてお礼を伝えたいの。プロデューサー』


指揮官に向かって笑顔でノイズは話しかける。

突然自分の名前を呼ばれ指揮官は『え?』と小さく驚きの声を上げた。

ノイズはステージから降り指揮官の傍に行くとお礼の言葉を述べた。

『この1年間、私のそばで色々サポートしてくれてありがとう』

そうして、ノイズは指揮官に1輪の花を差し出した。

『・・・ありがとう』

突然のサプライズに驚いた指揮官は戸惑いながらも花を受け取ると、ノイズは指揮官の頬に軽く口づけをしてステージに戻った。

『ノイズ・・・!あなたっ・・・!』

ノイズの一瞬の行動を見逃さなかったカウンターズのニケ達はブーイングをし、ノイズの次の曲を聴くどころではなくなっている様子だ。

指揮官は周りに気を使い、これ以上騒動が大きくなる前にライブ会場の外へ出る事にした。

???『もう出てきたのかい?音楽はまだ鳴り響いていると言うのに』

正体が分からないが聴きなれた声が聞こえる。指揮官は正体を確かめる為に声のする方に顔を向けた。

『紅蓮・・・?』
『楽しい夜だな。ぼっちゃん。元気にしていたかい?』

そこには、銀色の月上がりに照らされる紅蓮の姿があった。

月明りの下の出会い A

『どうして紅蓮がここに・・・?』

いつも地上にいる紅蓮がアークにいる事を疑問に思い、指揮官は紅蓮に尋ねた。

『一年最後の夜だろう?一人で一杯やるにも少し寂しくて、ぼっちゃんと飲もうかとこっそりやってきたのだ。だが音楽が聞こえてくるではないか』

紅蓮は酒に視線を移すと

『それで、ぼっちゃんを探すのは一旦止めて音楽をつまみに、一杯やっていたのさ』

そう言って、紅蓮は指揮官の顔を見てくすっと笑った。

『じゃあ結局一人酒じゃないか?』
『ふむ、そうなるか?まあ。細かいことはよいではないか。風の吹くまま、雲の流れるまま思うがままに生きればよい』

そう言った紅蓮は少しだけ遠い目をした。

『自由な人生だな』

遠い目をした紅蓮に、今は一言だけ思った事を言う事にした。

『やはりぼっちゃんはよく分かっておる。その通り、自由な人生なのだ』

そう紅蓮が言い終わると、指揮官の携帯が鳴りメッセージが入っている事を伝える。

──指揮官、逃げて下さい。先ほどのノイズの行動を知ったニケたちが自分たちも負けてられないと、指揮官の・・・頬を守ると言って飛び出していきました。

──頬?

──主にアニささささ  指揮官様!今どこ?前哨基地にいるんでしょ?

ラピからのメッセージだったはずなのに、口調はアニスになっている。

──他の子たちにやられないように、気をつけて逃げて!
誰かにやられたら 本当に ほんっっっっとうに!! めちゃくちゃ落ち込むから!

『・・・』

指揮官はメッセージを一通り見ると無言で携帯をポケットに入れた。

『ぼっちゃんは今日もお嬢ちゃんたちに愛されて、困っているようだな』

紅蓮は携帯のメッセージの内容を察し、指揮官に話しかけた。

『今回は大ごとになりそうだ』

指揮官の困り果てた顔を見て紅蓮は
『どこでもいいから、逃げたいと言った顔だな。どうだい?私と一緒に日の出でも見に行かないか?』
と提案を持ちかけた。

『日の出?』

不思議そうな顔をする指揮官に分かりやすい様に紅蓮が説明を続ける。

『そう、日の出だ。新年は、日の出を見ながら迎えるものであろう?』
『どこで?』

思いもよらない提案で指揮官は紅蓮に聞き返した。


『本物の日の出を見るなら、何処に行くべきだい?もちろん・・・地上だ』

そう言って、紅蓮は含みのある笑顔を指揮官に向けた。

月明りの下の出会い B

指揮官を探し回っていたニケ達を避け、二人は地上に向かうエレベーターに乗り込んでいた。

『無事に頬を守り、エレベーターに乗る事ができたな』
『助かった、ありがとう』
『ふむ?そういえば、何を持っているのだい?』

そう言われ指揮官はノイズにもらった花に目をやった。

『あぁ・・・もらったんだ』
『それは・・・バラだな。生花ではなさそうだ・・・造花だろうか』
『そうみたいだ』
『久しぶりに見たのう。いくら地上を歩き回っても、バラの種を見かけず。こうしてまた見る事が出来るとは』

紅蓮は薔薇に触ろうと手を伸ばすが、その手が薔薇に触れそうになると手をもとに戻した。

『バラが好きなのか?』
『私ではない。姉さんが好きな花だ』

紅蓮に姉がいた事を知らなかった指揮官は、紅蓮にびっくりしたように聞き返した。

『お姉さんがいたのか?』
『ん?ぼっちゃんにいってなかったか?・・・いたのだよ。ずっと昔の事さ』

途切れ途切れに話す紅蓮は何処か寂しそうな顔をしていた。

『・・・すまない』
『なぜ謝るのだ?昔のことだと言っただろう?悲しさも、風と共に過ぎ去った』
『・・・』

その後二人の間に短い沈黙が続くと、エレベーターが一瞬大きく揺れ地上についた事を知らせる。

『着いたようだな。では、日の出が美しく見える場所に行くとしようか』
紅蓮はエレベーターから降りると日の出が美しく見える場所について説明する。

『ここから、ま~っすぐ2時間くらい歩けばいい』
『2時間も・・・?』
『そんなに嫌そうな顔をしないでおくれ。苦労した分、それだけのものが見られるぞ』

宥める様に話すと、紅蓮は風を感じ目を閉じた。

肌を刺す様な冷たい風が、紅蓮の笠の装飾を揺らしていた。

『やはり、年の瀬の風は冷たいな。・・・ふむ・・・ちょうど今ごろだったか。年が明ける前だったから・・・そうだな』
『何がだ?』

独り言のように話す紅蓮を不思議に思い、指揮官は紅蓮に尋ねた。

『いや、こちらの話だ。ずっと昔の出来事を思い出したのだ・・・ふむ・・・。君は近接戦闘部隊と言うのを聞いた事があるかね?』
『近接戦闘部隊?』

いつも指揮官の事を『ぼっちゃん』と呼ぶ紅蓮は今は『君』と言っている。
紅蓮にとって、それだけ大切な話なのだろう。

近接戦闘部隊と言う言葉を聞いた事が無かった指揮官はそのまま紅蓮に質問を投げ返す形となった。

『初めて聞いたと言う顔だね。仕方のないこともしれぬな。アークのお嬢ちゃんたちを見るに、もう生産していないようだ。そう意味では、成功したわけか・・・』
『紅蓮は近接戦闘部隊だったのか?』
『そうだ。まあ、私の武器を見れば、予測できるであろう』
『思考転換して、昔の記憶がないと言っていなかったか?』
『そうだ。記憶のほとんどを失ってしまったというのが正しい。だが・・・いくら思考転換を繰り返しても、決して忘れられない、強烈な記憶がある。私にとっては、その時の記憶がそれだ』

紅蓮は自分の装備している剣に目をやり、月明りが反射しているのを見つめていた。

『どういう記憶だ?』
『ほお、聞きたいのかね?』
『少し?』

その答えを聞くと、紅蓮は剣から目を指揮官に移動させる。

『少し?顔には気になって仕方ないと書いてあるぞ』

そう言って、少し笑うと

『いいだろう。ちょうど長く、静かな道のりだ。思い出話を語るのも悪くなかろう』

そう言って、少し紅蓮は考えた。

『ふむ・・・どこから話そうか・・・よし。ここからにしよう』

そうして、大きな咳払いをすると紅蓮は昔話をしはじめた。

──むかし、むかし・・・。
地上に初めてラプチャーが侵略してきた頃。
一緒にニケになった、2人の姉妹が住んでいた──

薔花が嬉しそうに紅蓮に話しかける。

『わあ~久しぶりの手合わせね』
『・・・』
『今日で985回目だったかな?』
『ふざけていないで、真剣にやれ』

薔花のいつもの態度に痺れを切らし、紅蓮が一喝する。

『はいはい、分かったって。ちゃんとやるね』

そう言って、薔花は一度ニッコリ笑うと真剣な顔つきになり剣を抜いた。

『・・・』
『・・・』

お互い無言のまま薔花と紅蓮か向かい合い、剣を構えた。

『参るぞ』

紅蓮が最初の一声をかけると薔花は一言だけ

『来なさい』

と短い言葉を口にした。

そうして、剣と剣がぶつかり合う音があたりに鳴り響く。
2人は近接戦闘のために作られた、たった10機しか存在しない特殊改良された量産型ニケだった。

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